皆さん、DXしてますか?こう聞くと、
・業務が忙しくてそれどころじゃない!
・上司からの無茶振りが!
・部下の面倒を見なきゃいけない!
など「そんな事している時間はない!」と言う声が聞こえてきそうです。
もちろんDXの担当者に限らず、似たような状況に陥っている方は多いと思います。
今回は、「とにかく忙して時間が無い!」と言う方に、
誰でもできる「1人DX(初級編)」を紹介します!
「1人DX(初級編)」を実践し、
- こっそり自分だけ楽になるのもヨシ!
- 残業減らして早く帰るのもヨシ!
- 自分で考えた!と言って1人DX(初級編)を紹介して、会社での評価を上げるのもヨシ!
です! 『初級編』と言うことで、とても簡単で今日から実践できます!
ぜひ最後まで読んで、効果を実感してみて下さい!
木こりのジレンマ
「木こりのジレンマ」と言う寓話(ぐうわ)は聞いたことがありますでしょうか?
【ある木こりが、がんばって木を切っている。通りがかった旅人がその様子を眺めていたが、
斧を振るう勢いのわりに、なかなか木が切れていない。
見ると木こりの使っている斧が刃こぼれしていたので、旅人は言った。
「斧を研いだほうがいいのでは?」すると、木こりは言った。
「わかっちゃいるんだけどね、木を切るのに忙しくて、それどころじゃないよ」】
「中断して、早く斧研げばいいのに!」と思ったあなた!そうです!
外から見ると「なんでこんな非効率なやり方しているんだろう?」とか「ムダな作業だな」とか
すぐに気づくのですが、木こりに聞いてみると以下のような謎の言い訳が出てくる事が良くあります。
- ちょっと前までは切れ味が良かったんだよ!
- 前任者から、この刃こぼれした斧しか無いと言われた!
- どうしてもこの木を切らなきゃいけないんだ!
旅人からすると笑っちゃうような様な言い訳でも、木こりは至って真面目に答えます。
これと同じ事が、いろんな会社のいろんな部署で発生しています。
皆さんの仕事がこうならない為に!また「木こりのジレンマ」から脱するために、
以下を参考にして下さい。
その木を切る理由を考えて、切らない木を選ぶ!
同じように「木こりのジレンマ」を紹介しているDX関連や、仕事の効率化をテーマとした
企業のブログでは、「斧を研ごう!」や「代わりにチェーンソーを使おう!」などと言って、
その企業のツールをPRする事が多いですが、このブログでは
「その木を切る理由を考えて、切らない木を選ぶ!」を第一に考える事を提案します。
と言うと「木こりが木を切らなくてどうするんだ?」
つまり「与えられた仕事は全て必要なのでは?」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、
そんな事はありません。
今切っている木よりも、もっと高く売れる木が周りにいっぱいあったらどうでしょうか?
または、平らな土地にある木ではなく、断崖絶壁に生えている木を転がり落ちそうな状態で
切っていた場合はどうでしょうか?
「いやいや、わざわざそんな木、切らなくてもいいでしょ!」と皆さん考えるはずです。
仕事も同じで、始めた当初は必要な仕事であっても、関係者が変わって、時間が経つと
「当初の関係者は重要視していたが、現状は重要度が下がった」や、
「自分の仕事を経由しなくても、別の方法でもっと簡単に必要な情報が入手できるようになった」
と言うように変化する事は良くあります。
時間が無い皆さんにこそ、「本当に今している仕事は必要とされているのかを改めて考え、
不要な仕事を辞める決断」をして頂きたいと思います!
次の章では、私が実際に不要と考え、辞める決断をした仕事を紹介します。
実際に辞めた仕事の実例
私の所属する5名の部署の人事異動が決まり、1名減る事となりましたが、
後任が間に合わず半年の間、残りの4人だけで、その人の仕事を分担する事になりました。
この場合は、異動される事務の方が「木こり」、私が「旅人」になります。
まずは、その方の業務の棚卸しし、出てきた仕事の中で私が
「その木、切る必要はないのでは?」と思った仕事は次の通りです。
- 代表で登録しているメルマガの転送業務
- 業界誌の回覧業務
- 申請書類の回覧業務
1つ目の「代表で登録しているメルマガの転送業務」では、代表で登録しているメルマガから
1日あたり1、2個届くメールを社内の約30人に転送すると言う業務でした。
メールの自動転送ができないと言う、社内で利用しているメーラーソフトのショボさもありましたが、
そもそも本当にメルマガを読んでいるのか?と思い転送先の30人にアンケートを取りました。
結果、ほとんどの人が不要との回答で、残った数人には、直接メルマガを登録してもらう事に
しました。これにより、「代表で登録しているメルマガの転送業務」を私の部署から無くす
事ができました。業務時間の削減効果は1時間/月でした。
2つ目は「業界誌の回覧業務」です。こちらは月1回届く、各業界の業界誌に回覧先が記載された
紙を添付して、回覧すると言う仕事です。こちらも1つ目同様、回覧先の方に必要かの意見を
聞いて不要と回答が得られたものだけ回覧を廃止しました。
全ての業界誌の廃止はできませんでしたが、5つ中、3つはこの活動で廃止にする事ができました。
これにより、15分/月の業務時間削減を行う事ができました。
3つ目は「申請書類の回覧業務」です。この仕事は、大きく以下3つの業務からなります。
- 地方拠点から届く紙の申請書に上長数人のハンコをもらうため「回覧」する
- 承認がおりたらPDF化して「データ保管」する
- 申請者に「返送」する
また1の「回覧」で時間がかかった場合は、2の「データ保管」の前に、
今どこまで回覧が進んだかを確認して、申請者に連絡する「進捗確認」と言う、
とても無駄な仕事も発生していました。
この仕事については、既に会社に導入されていたノーコードのワークフローツールを使って、
書類を電子化で対応しました。
これにより、「申請書類の回覧業務」を辞める事ができました。
具体的には「回覧」、「データ保管」、「返送」はシステムが自動で行い、
「進捗確認」は申請者がいつでも自分で行えるため、
私の部署で行う仕事は無くなったと言う事になります。
私の所属する部署だけでなく、各地方の申請者にとっても大きな業務効率化となり、
会社全体で7時間/月の業務削減を行う事ができました。
3つの効果を合わせて、1ヶ月あたり8時間15分もの削減を行う事ができました。
この仕事は辞めてもいいか?や、手段が変わっても問題無いか?と言う
ヒアリングは各所に行いましたが、この活動自体はほとんど1人で行う事ができました。
1人でも十分にDXができる!と感じました。
またどんな仕事が辞められるかについて、見極めるポイントは以下の3つであると思いました。
- 昔から何となく続けている、多数の人への情報提供作業
- 回覧業務
- データ保管業務
上記のいずれか1つもしくは2つ以上当てはまる場合は、何とか削減する方策を考えましょう!
斧を研ごう! ①ユーザー辞書ツールに登録して、入力を効率化!
本当に必要な木だけを切り、不要な木は切らないという段階まで進めたら、
ここからやっと「斧を研ぐ」のパートに入ります。今回は1人DXの「初級編」と言う事で、
PCを使う仕事をしている人であれば誰にでも当てはまる2点を紹介します。
- ユーザー辞書ツールへの登録
2. 画面操作のショートカットキーを覚える
1つ目は「ユーザー辞書ツールへの登録」です。こちらはよく使う単語を事前に
登録しておく事で、PC上での入力作業を効率化すると言うものです。
画面右下の「A」または「あ」を右クリックして、「単語の登録」をクリックし、
「単語」と「よみ」を入力して登録するだけで完了します。
慣れれば1単語登録するのに、1分もかかりません!
更に一度登録すれば、ずっと効率化の効果が持続します!
では、具体的にどのような単語を登録したら良いか?
私のPCで登録している単語の一例を紹介します。
挨拶系 : 「い」 → 「いつもお世話になっております。」
珍しい苗字: 「みうら」 → 「水卜」
その他 : 「めーる」 → 「自分のメールアドレス」
「じゅうしょ」 → 「会社の住所」
メールでよく使う挨拶文は、登録しておくと全て書く必要がなくなるのでとても
早くなります。また変換でなかなか出てこない珍しい苗字や、各業界の専門用語も
一度登録してしまえば、入力がとても早くなります。後は、頻度は高くないですが、
手間がかかるメールアドレスや会社の住所なども登録しておくと入力時の煩わしさがなくなります。
斧を研ごう! ②画面操作のショートカットキーを覚えよう!
2つ目は「画面操作のショートカットキーを覚える」です。一般的にショートカットキーと
聞くと、Excel操作時に使うイメージが強く、Excelをあまり使わない自分には効果が無いのでは?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ショートカットキーはExcel以外でも使える
ものがたくさんあります。
また1回毎のショートカットキーの効果は数秒ですが、毎日何回もする操作を
ショートカットできると、積もりに積もって、効果が非常に大きくなります!
元々PC操作が得意で無い、後輩にショートカットキーを複数覚えてもらったところ、
1ヶ月ほどで資料作成にかかる時間が半分になったと言う経験があります。
尚、ショートカットキーを利用する隠れた利点として、短い時間で集中して資料作成が
できるため、ミスが減ると言う効果があります。
理由の1つ目は、資料作成のスピードが上がる事で、体や脳が疲れにくくなるからです。
もう1つの理由は、作業自体ではなく、資料の内容について考える時間を増やせるからです。
PCでの長時間作業は、それだけで疲れてしまうので、その負荷をできるだけ下げる事は、
仕事の質を高める大きな要素となります。
一例として、この記事内で覚えて欲しい画面操作のショートカットキーを2つだけ紹介しますが、
本質的には、「毎日何回もしているこの操作、ショートカットキー無いのかな?」と自身で
探す事が重要になります。ショートカットキーを紹介しているサイトやブログは
たくさんありますので、ぜひご自身で「PC操作 ショートカットキー」で
検索してみて下さい。また一度で全ては覚えられないので、普段からショートカットキーを
調べるクセをつけましょう。何度も調べて使っていくうちに、本当に自分に必要な
ショートカットキーがわかってきます。
それではお待たせしました、この記事で絶対覚えて頂きたいショートカットキーを紹介します。
それは
「デスクトップを表示する」 → Windowsキー+D
と
「アプリやウィンドウを切り替える」 → Altキー + Tabキー
の2つです。
1つ目の「デスクトップを表示する」は、複数開いているアプリケーションを一つずつではなく、
一気にまとめて最小化する事ができます。「今開いているアプリケーションは2,3個かな?」
と思って1つずつ最小化していったら、実は10個のアプリケーションが開きっぱなしだった
みたいな経験が皆さんあると思います。特にデスクトップに必要なファイルやアプリのアイコンを
置いている人は必須のショートカットキーです。
2つ目は「アプリやウィンドウを切り替える」です。複数開いているアプリケーションを
マウスを使わずに切り替えることができます。PCで仕事をする場合は、常に複数のアプリや
ウィンドウを切り替えながら作業する方がほとんどだと思います。
毎日何回も出番のあるショートカットキーなので是非とも覚えてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は忙しくて、DXなんてできない!と言うそんなあなたに
「1人DXの始め方(初級編)」を紹介しました。まずは木こりのジレンマに陥っていないか、
自分に問いかけて、切る必要のない木を切ることからやめてみましょう。
次に、本当に切る必要の木だけに残ったら、斧を研ぎましょう!
今回は初級編と言う事で、誰でも、すぐに使えるようになる、
「ユーザー辞書ツール」と「2つの画面操作のショートカットキー」を紹介しました。
この2つから始めて、ユーザー辞書ツールやショートカットキーをどんどん
使いこなしましょう。「こんな単語を登録したら便利かも」や
「これってショートカットキー無いのかな?」と普段から調べるクセをつけたら
こっちのものです!あなたの1人DXは更に進むはずです!
1人DXを進める事で空いた時間は
- こっそり自分だけ楽になるのもヨシ!
- 残業減らして早く帰るのもヨシ!
- 自分で考えた!と言って1人DX『初級編』を紹介して、会社での評価を上げるのもヨシ!
と言うことで自由に使ってみて下さい。
以上
コメント